平林貴宏 -失うためのモニュメント-
Takahiro Hirabayashi -Monument for Lost-
■2018.1.13 – 1.27
■11:00 – 18:30
■Closed on Sunday and Public Holiday
吉野石膏美術振興財団 助成
この度、LOWER AKIHABARA.は、「平林貴宏―失うためのモニュメント」を開催致します。
 
 平林貴宏は主に人物を描く作家である。日本画をベースに、いずれも美しい髪やレースなどの小物を極めて細い筆を駆使した技巧が際立ち、渋めの色を基調とした日本画独特の奥ゆかしくも奇怪で謎めいた平林の大和撫子は、すでに15ヵ国を超える発表の場から、国籍を超えた支持者を着々と増やしている。
 
 初期から現在も続くシリーズ「phantom pain」や「amnesia」「potalaka」では、眼帯で覆われた愛らしい目、包帯で巻かれる白く美しい首、ガラスのように剥がれ落ちる顔、あるいは赤々とした謎の物体をまるで臓器でもつかんでいるように手にする虚ろな美少女達をリアルに描き、鑑賞者の意表を深く突くことによって「人は見かけに惑わされること」を警告し続けた。
 
 今回発表するのは、数年前から取り組んできたシリーズ「lost」。日々描く作品は撮影された時点から疑いなくコピーされ続け、実物が消えた後も残る。それならばヴァルター・ベンヤミンが「AURA」と名付けた尊いオリジナルの権威を、残そうとする事をやめて失うことを選択的に行い、そのこと自体を可視化することで記録に対する社会通念を逆照射するという、「記録の消失」がテーマとなっている。丹念に描いた図像を作者自らが消去し、その儀式の痕跡を複製にかろうじて残すものである。画像にある展示作品は、消去される前のものであり、展示では「消された作品」として蘇ります。今日、私たちの誰もが肉体の有無に関係なく、永遠にその存在を複製保存される対象となったことで失われる大切なものは何か。
 

 是非ご高覧下さい。 

GALLERY KOGURE
平林貴宏 / Takahiro HIRABAYASHI