GALLERY KOGURE
この度、LOWER AKIHABARA.では、池谷友秀の個展を開催いたします。
水を通して生命の根源に迫る写真家、池谷友秀。今回は激しい波に打たれる人物を撮ることで年齢や性別、肩書などが無効となり自然の一部となる様を表現。漆喰にプリント上にガラスをモザイク状に定着させた写真でありながら、今回はそれぞれが一点しかない展示となります。 是非ご高覧ください。
波しぶきによって視覚化される 自然と人間との間の境界線。
わずか5inch.の深さの 波際に横たわる人間という存在。 そこには、自然への抵抗と そして、激しい波にのまれる無力さからくる 脱力感さえもうかがえる。
どんな者をものみ込む波。 残骸となって、波打ち際に横たわる人々。 波は、人々から地位や性別、 年齢の違いといった肩書きをはぎ取り、 自然の流れを阻害するものとして人間を扱う。
しかし、それと同時に 人間も自然の一部であるという 抗えない事実も立ちはだかる。
融合と隔絶。 その間にある矛盾を どう越えたらいいのだろうか。 “WAVE”は波にのまれる人々と その波と人間との間の境界線を写し取ることにより、 自然と人間との関係について疑問を投げかける。
2016 池谷友秀 / Tomohide Ikeya